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ノウハウがないなかで立ち上げた新規サービス、将来は製造技術の主流となるはず

風洞実験ソリューションサービス

プロジェクト背景

自動車や小型モビリティ、航空宇宙機器など各種製品について状況に応じた風洞実験用高精度模型を製作するほか、風洞実験に関する多種多様な課題を一括でサポートするプロジェクト。パーソルR&D(現パーソルクロステクノロジー)の技術力と、AM(3Dプリンターを用いた、ものづくり)を活用した新規ビジネスの構築を目指しているなかで、商業車メーカーから風洞実験用模型作成の相談を受けサービス提案を行った結果、高評価だったためサービスを提供することになった。

PROJECT MEMBER
  • 高橋英之の顔写真

    高橋 英之

    機械設計

    約10年間、自動車樹脂部品設計に従事。その後、約10年間、多種多様な自動車部品設計、請負業務のチームリーダーを経験し、風洞実験ソリューションサービスを立上げ。

  • 小泉 匠

    機械設計

    約3年間、商業車の内装パネル設計業務に従事。ドアトリム設計を担当。3Dプリンタ造形にも精通し、風洞実験ソリューションサービスでのデータ作成を担当。

  • 石川 奈々子

    機械設計

    約2年間、商業車の内装パネル設計業務に従事。ドアポケット設計を担当。複雑な3次元曲面のモデリングと得意とする。

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新規ビジネスの構築中、マッチする案件の相談がありプロジェクトが立ち上がる

商業車メーカーから風洞実験用模型作成の模型の精度が悪い、重いので何とかしたいという要望を受けて立ち上がったプロジェクトです。もともとはパーソルR&D(現パーソルクロステクノロジー)の技術力と、AM(3Dプリンターを用いた、ものづくり)を活用した新規ビジネスの構築を目指し、AMのパイオニアである企業(以下X社)と新規ビジネス創出に関するワーキング活動を2年半実施していました。そこへ商業車メーカーから風洞実験用模型作成の相談を受けたため、サービスの提案を行い、本格的なサービスとして提供することになりました。私たちはプロジェクトリーダーとして、客先、協業先、社内の調整をしています。プロジェクト達成の指標は、X社と協業でのサービスのリリースおよび来年度中での案件受注と自動車業界以外からの案件受注、風洞実験用模型作成以外でのAMを活用したサービスの提供です。

風洞実験の「痒いところに手が届く」技術・サービスを提供

このプロジェクトは、大きく5つのサービスで構成されています。そのうちのひとつである意匠データから詳細な3D CADデータを作成するサービスでは、風洞実験用の強度確保のためのアルミ製内部フレームの構造設計や、気圧計測用のベンチュリー管のレイアウトなども提案できます。また3D模型製作サービスでは、複数部品の模型とすることで、任意の部分を交換する複数パターンの風洞実験が可能になり、模型製作コストを抑えられるほか、お客様のニーズに合わせて、塗装や補器類の取り付けにも対応します。
そのほかにも、高精度3Dスキャン測定サービス、風洞実験サービス、空力解析サービスなどがあり、風洞実験に関する多種多様な課題を一括でサポートするプロジェクトとなっています。

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徹底的なヒアリングと調査、情報収集で未知数のプロジェクトの問題点をつぶす

このプロジェクトには、パーソルR&D(現パーソルクロステクノロジー)で製造ができないことから製造委託先をどうするのかという課題や、製造リスクに関する課題がありました。また、風洞実験用模型製作の市場ニーズが未知数という点も問題でした。そこで、客先の課題を設計部、実験部へヒアリングし徹底的に調査するほか、客先、協業先、展示会などで情報収集を実施しました。さらに、製造リスクを回避する方法を模索するため、契約内容の確認、社内要望、客先要望を調査しています。また、協業先との週1回の定期MTGを実施することで、綿密な情報共有を実現しました。

燃費の良い自動車の開発と開発コストの削減に役立つ技術が生まれた

新規サービスをつくりあげるノウハウがなかったので、ホールディングスの研修、展示会での聞き込み、社内プレゼン、協業企業との連携と、とにかく普段の設計業とは別次元の大変さがありました。しかし、コミュニケーション力の高さを活かし、設計業務以外の部分を協業先、客先、社内有識者へ協力していただけるように働きかけることで乗り越えられました。このプロジェクトの技術は今後、燃費のより良い自動車の開発に活用されていくと思いますし、開発コストの削減にも役立ちます。また、風洞実験用模型作成サービスは3Dプリンターでの製造を行っています。この3Dプリンターを用いたものづくりは、今後の製造技術の主流となるため、風洞実験用模型作成以外の製品開発へも技術展開が可能だと考えています。

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