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パーソルクロステクノロジーに関するニュースについて紹介します。
FENNELの想いとパーソルクロステクノロジーの技術が交わり、eスポーツの可能性を広げる共創へ

インタビュー日:2026年9月2日
「顧問もコーチもいない」
プロeスポーツチームFENNELの創業者/取締役、堀田・マキシム・アレクサンダーさんは、いまのeスポーツの現場をそう表現しました。そんな現場に光を灯す、子どもたちの道しるべを一緒に作ることにもつながる可能性を秘めた「共創」として2026年7月にスタートしたのが、パーソルクロステクノロジーとFENNELのスポンサーシップです。なぜパーソルクロステクノロジーにお声がけいただいたのか、当時そして今に続く想いをお聞きしました。
草野球にはお父さんがいる
FENNELは2019年に発足したプロeスポーツチームです。VALORANT、League of Legends、ポケモンユナイトなど11タイトルの部門を持ち、2026年はVALORANTの女子部門で国内公式大会4連覇、League of Legendsで国内リーグ2連覇、ポケモンユナイトではアジア王者と日本王者の2冠を達成しています。
総勢60名前後のメンバーが所属するFENNELの取締役、堀田さんも実は元プロゲーマー。バトルロイヤルゲームのなかでも長年トップシェアを維持してきた「荒野行動」で、大学時代から日本のトップを何度も獲得してきました。2019年にFENNEL立ち上げに加わり、現在は企業とのパートナーシップを担当しています。その堀田さんは、eスポーツの現場をこう表現します。
「ただゲームをやっているだけの子たちが多いんです。顧問もいないし、コーチもいない。草野球なら、お父さんがコーチをやってくれたりしますが、それが一切ないので、子どもたちは全員、自分たちだけで暗闇の中を進んでいる状態なんです。そういう子たちの道しるべになるような、PDCAを正しく回せるサービスがあれば、彼らはやっぱり上手くなるし、日本の競技人口も増えて、強くなる。そう思ったんです」
その道しるべを一緒に作る相手として、FENNELが選んだのがパーソルクロステクノロジーでした。
なぜ、パーソルクロステクノロジーだったのか
「うちにはVALORANTの女子部門があるんですが、この3年ほどで、FENNEL以外の女子部門はほぼ全て撤退してしまったんです。女性はゲーマー人口の3割から4割を占めているので、彼女たちの最終目標になる場所を常に作って、維持し続けないといけないと思っていました。そういう取り組みやビジョンに共感してくれる企業をずっと探していて、僕たちから声をかけたのが最初のきっかけです」
声をかけた時点でのテーマは、女子部門の支援でした。ところがパーソルクロステクノロジーと打ち合わせを重ねるうちに、話は別の方向へ動いていきます。
株式会社Fennel 取締役 堀田・マキシム・アレクサンダー氏
「お話ししているうちに、女性というセグメントに絞るのではなく、もっと広くeスポーツの課題を解決したい、という方向になっていきました。『for eスポーツ』、つまりeスポーツの発展に寄与できる取り組みがいい、と。スポンサーというと、お金を払って協賛して、ユニフォームにロゴを載せて、動画を作ってYouTubeに載せる、という例が多いんです。でもパーソルクロステクノロジーさんは、「共創、一緒に作る」という形で、eスポーツのために何かをやりたい、というところから話が始まったんです」
では、何を作るのか。堀田さんは自分がプロだった頃を思い出しながら、こう語ります。
「じゃあ何を作るかと考えたときに、ゲームはやっぱりコミュニケーションだ、という結論になりました。コミュニケーションを可視化して、点数化して、ここが良かった、ここが良くなかったと『見える化』すれば、上手くなっていける。それに、コミュニケーションこそが、プロとアマチュアの圧倒的な違いなんです。野球やサッカーなら、プロとアマチュアの差はほとんどフィジカルだと思います。でもゲームの場合、プロレベルのフィジカルを持ったアマチュアはいるんです。
それでも、何を話せばいいのかわからない、コミュニケーション能力が低い、という子がいて、プロになれなかったり、プロになっても上手くいかなかったりする。このコミュニケーションの難しさこそが大きな壁なので、僕らサポート側からどうにかしたい、と提案しました。パーソルクロステクノロジーさんにも賛同いただき、いまはコミュニケーションを見える化するためのサービス開発を進めています」
いま開発検討を進めているのは、ゲーム中の音声チャットに導入して選手同士の会話を録音し、AIが分析してレポートを返すというAIを活用したオンラインサービスです。開発はFENNELのエンジニアが担い、パーソルクロステクノロジーはアドバイザリーとして参画しています※1。
※1 プレスリリース 「パーソルクロステクノロジー、プロeスポーツチーム「FENNEL」と、AIを活用したゲーム内コミュニケーション分析に関する取り組みを開始」
ビジネスの先にある「心と心」
FENNELには、企業から多くの引き合いがあります。人材業界、技術系企業を中心に、複数のスポンサーが並んでいます。組む相手をどう選んでいるのか。スポンサー営業を堀田さんと2人で見ている執行役員の金山 優さんは、はっきりした基準を持っていました。
「5年、10年お付き合いができる前提で取り組みをスタートさせることが、絶対的に大事だと思っています。よくあるのは、今年この商品を発売したのでマーケティングに力を入れたい、eスポーツの力を使いたいのでスポンサーします、という話です。これでは大体2年目に続かず、そのチームのファンに対するリーチは1年で終わってしまう。eスポーツ市場自体は確かに成長を続けていますが、新しいゲームが出るたびにファン人口が増えるような潤沢なマーケットではなくなってきていますし、商品やサービスの訴求、プロモーション目的の取り組みは、2年目に続く確率がやっぱり下がっています」
金山さんが理想と呼ぶ形は、さらに先にあると言います。
「決裁する人もファンで、社員もファンだから、取り組む事業がうまくいってもいかなくても、ずっとスポンサーを続けてくれる。それが究極の形だと思っています。5年スポンサーを続けていただいている会社さんだと、次は何をやろう、これもやったし、あれもやったし、と手詰まりになっていくこともあります。その一方で、もうそろそろ世界戦だよね、来年も頑張ってね、と応援してくれる。パートナーとのビジネスの先にあるのは「心と心」、応援してもらえるかどうかなんです」
社員よりも、喜べるか
最後に、開発以外でパーソルクロステクノロジーに期待していることを金山さんにお聞きしました。

株式会社Fennel 執行役員 金山 優氏
「パーソルクロステクノロジーの正木社長が、年間10試合ぐらいオンラインで見てくれるようになったらいいですね。社長が気になって、あの続きは、次の試合はいつだ、と会社で話題にしてくれたら、たぶん全社員がサポーターになってくれると思うんです。事業としての取り組みも大事ですし、市場をどう変えるかも大事ですが、これだけ従業員数の多い会社とスポンサー契約をするということは、FENNELのファンが増えてくれるかもしれない、ということとイコールでもある。1万2,000人以上のファンが増えるというのは、我々からするととてつもないインパクトなんです」
ファンになってほしい。金山さんはそう繰り返しましたが、それは相手にだけ求めるものではありませんでした。FENNELの営業には、ひとつの基準があります。
「パートナーのビジネスがうまくいったときに、その会社の社員よりも喜べるかどうか。当社の営業メンバーに求めているのは、そこです。仮にパーソルクロステクノロジーさんが、この取り組みで500人採用したい、企業ブランドを高めたい、などの目標を持っているとして、それが本当に達成できたとき、パーソルクロステクノロジーの社員の誰よりも喜んでいるメンバーが、FENNELにいるかどうか。そこですね」

FENNEL所属選手のトークショーや交流会を通じて、来場者との接点を創出(写真提供:株式会社 Fennel)
堀田さんによると、eスポーツのスポンサーシップは、長くその片側しか持っていなかったと言います。
スポンサーの社員がチームのファンになり、チームがスポンサーのファンになる。応援は片側からでは続かない、という考え方です。
「僕たちはこれまで、自分たちの影響力や若者との接点を商材にして、お金をもらってリターンを返す、ということに特化してきました。eスポーツを知らない企業が多いので、そういう関わり方しかなかったんです。でも、たとえばモータースポーツを見ると、そうではないですよね。特定のチームが大好きだから毎週試合を見て、まるで自分の人生の一部であるかのように応援する。そしてそれがその人の人生を豊かにしている。
僕はそれがすごいことだと思っているんです。僕たちもこれから世界を目指して、勝ったり負けたりします。その勝ち負けの一つひとつを一緒に応援してくれる人が一人でも増えれば、その人の人生の豊かさに、僕たちが影響を与えられているということになる。これは僕が配信者だった頃から、ずっと思っていたことです。みんな、毎日配信を見てくれるんですよね。ほかにも楽しいエンタメはたくさんあるのに、でも、僕らの配信を選んでくれている。そういう人が一人でも増えることが、シンプルにやりがいなんです」
プロチームは試合だけでなく、日中の練習も練習試合も配信しています。家事をしながら、子どもを抱いたまま、イヤホンで音だけ聴いている人もいる。アメリカでラジオが生活の一部として親しまれているように、日本では日常的にゲーム配信が楽しまれ、BGMのような存在になっています。日本は世界有数のゲーム配信視聴国であり、YouTube Gamingでは日本のチャンネルがアメリカやインドを上回る視聴時間を記録しています※2。有料のチケットを買って会場に来た観客に伺うと、半分はそのゲームをやったことがないと言い、競技をするかどうかとは別のフィールドで、ファンが育っています。
※2 参照:Hatchet 「YouTube Gaming2025Live Streaming Trends Report」(2026年3月公開)
パーソルクロステクノロジーが目指しているのもまた、テクノロジーの力で人の可能性を広げることです。今回の取り組みは、単なるスポンサーシップではありません。eスポーツという新しいフィールドで挑戦する人たちの成長を支え、その可能性を未来へつないでいくための共創として、チャレンジが始まっています。
パーソルクロステクノロジーはこれからもFENNELとともに、新たな道しるべを作る挑戦を続けていくのです。
●株式会社Fennel
https://fennel-esports.com/