事例
エンジニア領域の様々な技術課題に
対応しています。
一過性の効果に留まらない「本質的なDX」を進めるために大切な視点とは(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート様)
セールス&マーケティング本部 パートナー営業第2G チームリーダー
新垣 貴光 様
システムソリューション統括本部 Grobal Bridge部 マネージャー
前原 大作
取材日:2021年9月17日
※所属・役職は取材当時のものです。
※当サイトは2024年7月1日にパーソルプロセス&テクノロジー株式会社から移管されました。
NTTデータグループのパッケージソフトウェアメーカーとして、国内外多くの企業の働き方改革・生産性向上に寄与してきたエヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート(以下、イントラマート)。パーソルクロステクノロジー(以下、パーソルXT)はそのパートナーとして、お客さまの業務プロセスの全体最適・改善をともに取り組んできました。激変する時代の中で、DXのあるべき姿とは。日々お客さまと向き合う両社の担当者が語りました。(以下、敬称略)
個々の課題ではなく、業務プロセスの全体最適がDXの鍵を握る。
前原:もともと私たちはイントラマートさんの「intra-mart Accel Platform」を活用して社内システムを開発した経緯があり、そこから今回の協業につながりました。
新垣:ありがとうございます。弊社は「intra-mart」パッケージの開発・販売・保守サポートから、導入におけるプロジェクトサポート・教育などを業務の柱としております。その中で、パーソルXTさんの持つ人材・組織に関する豊富な知見や、現場に近いからこそ得られる「ユーザーの生の声」は非常に魅力的に感じられたため、協業によってシナジーを生み出せると確信しました。
前原:パーソルXTの中でも、私が所属するGlobal Bridge部はパーソルグループの強みを活かしたHR領域のサービス開発、UI/UX手法を取り入れたコンシューマー向けアプリ開発やローコード開発ツールを活用した基幹システム開発などの活動を行っており、私が担当する基幹システム開発においては提案段階からイントラマートさんにご相談にのっていただいております。
新垣:パーソルXTさんと提案をご一緒させていただく中で、「一つひとつの小さな課題を解決するだけでなく、根本的な課題にアプローチするべきだ」と感じるケースが非常に増えてきましたよね。つまり、事業の継続性・成長性という観点から立ち返って、もう一度見直した方が効果を最大化できるケースです。
前原:はい。私も営業的な立場でお客さまと接することが多いので、そのご意見にはとても共感できます。例えば最近だと、新型コロナウイルス感染症拡大によってテレワークが増えた影響もあり、ペーパーレスや脱ハンコに関する問い合わせを多くいただきます。そこで実際にお客さまと話していくうちに、単にそれらのキーワードに応えるだけでは十分な課題解決に至らないことがわかる、といったことが非常に多いんです。むしろ、もっと根本的な部分を変えていった方が費用対効果的に優れていることもありますね。
新垣:そうですね。DXに積極的に取り組もうとする企業は増えていますが、その取り組みを一過性のもので終わらせず、継続的に取り組むことが真のDXへつながると考えています。私たちイントラマートとしては「業務プロセスの全体最適」がそのカギを握ると考えています。
前原:なるほど。タスクごとの個別最適ではなく、もっと上位の概念である業務プロセスそのものから変革していくという考え方ですね。
BPRによってお客さまに伴走しながらPDCAを回していく。
前原:とはいえ、経営層が「DX推進部」のような担当部署を立ち上げ、そのメンバーに抜擢されたのはいいものの、何から手をつければいいのかわからないという担当者の方も多いと聞きますよね。
新垣:そうなんです。本来DXというのは中長期的な経営計画に則って行われるべきなのですが、経営課題と現場の課題が結びついていないことがほとんどなんですね。会社としてはここを目指しているけど、今現場はそれどころじゃないと。そのギャップに対して、どうアプローチしていくのかが、私たちの立場としてはとても大切なことだと思います。
前原:先ほど挙げたペーパーレスや脱ハンコといった例でいえば、単に紙の資料をデジタル化するだけでなく、そもそも煩雑になっている社内稟議プロセスから見直した方が継続的に高い効果を得られるといったケースがあります。そのことに気付いてもらう、納得してもらうためには、やはり具体的な数値を示していくこと。これに尽きると思います。
新垣:実際「細かいことはいいから、とにかく早くやってよ」というようなオーダーもありますからね。そういったご要望に対して、どれだけ丁寧に説明し、具体的な根拠を示し、同じ目線に立っていけるか。その上でKGI・KPIといったゴールを定めて、継続的にPDCAを回していく。それが本質的なDX支援だと考えています。
前原:私たちとしても、システムをご提案する際には想定される導入効果を具体的な数値でお伝えするようにしています。
新垣:相談や要望に対して「あえて提案しない」ということもあるんですか?
前原:あります。例えば、まだお客さまの中で導入目的や効果に対して具体的なイメージができていない場合には、無理にシステムやソフトの話に持っていくのではなく、RFP*1作成支援をご提案し、そうすることでより質の高いご提案をいろいろなベンダーから受けられますよ、というお話をする場合もあります。逆にお客さまの中で導入製品や採用技術がある程度定まっている場合は、実現性の検証や効果・コストの検証作業から行うこともありますね。
新垣:なるほど。パーソルXTさんとの協業ではBPR*2という考え方のもと、業務プロセス全体の業務最適・改善を提案していますが、そのためには業務に詳しい人、つまり現場の方々を巻き込んでいく必要があります。私たちも包括的なDX支援をトータルサポートする「IM-QuickActivate」というサービスメニューを提供していますが、パーソルXTさんは日頃からお客さまの現場に入り込んで支援を行っていると思いますので、経営目線にも現場目線にもアプローチできるのが強いですよね。
前原:ありがとうございます。ちょうど最近の事例でいうと、我々で運用保守を担当させていただいている既存顧客からの相談で、お客さまのバックオフィス全体の業務プロセスを改善提案させていただく機会がありました。BPRでプロセス全体を可視化することで、ボトルネックの抽出や必要に応じたプロセスの追加・変更・削除ができ、KGI・KPIを評価改善するPDCAをお客さまに伴走しながら回すことができるので、柔軟でスピーディな支援ができていると感じます。
*1 RFP...Request for Proposalの略称。提案依頼書
*2 BPR...Business Process Re-engineering の略称。業務改革
深い知見と現場経験を活用し、お客さまの生産性向上に寄与したい。
新垣:今後の展望としては、BPMN*3などを活用し、全体の流れを図式化することで部門を横断する共通言語をつくっていくことにも注力していきたいと考えています。理想を言えば、BPM*4、BPMNといった仕組みや手法をお客さま自身が扱えるようになっていくことがベストだと思います。
前原:そうですね。部門ごと、業務ごとにプロセスを整理して課題を抽出していくためには、テクノロジーの活用も必要不可欠になってくると思います。そういった面でも、さまざまな製品を持つイントラマートさんと一緒にお客さまの生産性向上に寄与していきたいです。
新垣:ありがとうございます。プロセスマイニングを用い、ファクトデータ(業務処理のログデータ)から、ボトルネックになっている課題を定量的なデータとして可視化し、経営層に示していくことも必要と強く感じています。IT基盤を提供している私たちだからこそ、データを根拠にした提案を強みにしていきたいですね。ただ、ITだけでは不十分で、パーソルXTさんのようにお客さまの現場に深く入り込み、伴走していくことが必要不可欠なので、今後ともお力をお借りできれば心強い限りです。
*3 BPMN...Business Process Modeling Notationの略称。ビジネスプロセスモデリング表記法
*4 BPM...Business Process Managementの略称。ビジネスプロセス管理