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#乗用車設計開発
目次
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自動車用樹脂部品のスペシャリスト: 渡邊 真也
専門分野
自動車などの樹脂部品設計:初期構想からラインオフまで
仕事内容
入社後、樹脂や板金、スチール、アルミ等の自動車部品設計を経験。現在では、樹脂設計のスペシャリストとして自動車ボディの樹脂外装(バンパーやバックドアなど)のほか、航空機シートの設計も担当。
自動車用樹脂部品設計について
「実際の設計では、デザイン画からいざ樹脂製品用に設計図面化してみると、建て付けを考慮した取り付け構造立案の過程で、強度・剛性不足や他の部品への干渉など、デザイン画だけでは分からないさまざまな課題が発生します。時には製品として成立するようにデザインをデザイナーと調整したり、金型メーカーに対してレビューや議論をする事もあります」と語る渡邊。設計技術だけでなく、幅広い知見とコミュニケーション力を持つことでスムーズな製品開発を可能にするそうです。
▼パーソルクロステクノロジーの「外装設計」を含む機械設計開発例
(「乗用車設計開発」のサービスページより抜粋)
自動車の外装設計の対応部品
- ラジエーターグリル、ロアグリル
- ロッカーモール、ルーフモール
- クラッディングパネル、スポイラー
- ガーニッシュ、バンパーガード、アーチモール
この技術の将来性について
そんな渡邊に、この分野の将来性について聞いてみました。
「自動車業界では環境への対応もあり、さらなる低燃費化や電動化が進んでいます。そうした背景もあり燃費改善のためには特に部品の軽量化の技術が求められており、ボディーやエンジン部品などの金属部品を樹脂へ置き換えることで軽くする手法が加速しています。これらのことから、樹脂部品設計技術は自動車開発において欠かせない技術分野になると思います」
樹脂部品は自動車以外でも医療機器などさまざまな製品で使われており、今後ますます増えると考えられています。
仕事上の重要な価値観
最後に「仕事で大切にしている価値観」について…。
「技術面においては、常に『なぜなぜ』を繰り返し、自分の中で理由や根拠を明確にして腹落ちさせてから、原理・原則に基づく自身の想いや考えを持ち、提案することを心掛けています」と語る渡邊からは探求心が伺えました。また「業務に向かう姿勢面では、お客様が何を求めているかを忠実に把握して認識を合わせる事と、進むべきベクトル、アウトプット品質を間違えない事を意識しています」と、技術だけでなくコミュニケーションの取り方も意識していると分かりました。
外装部品開発において渡邊は、その緻密な設計作業によって、デザイナーと金型メーカーの間を埋める重要な役目を果たしています。デザイン画に表現されている「デザイナーがイメージする形状」を、渡邊が実際の設計図面に落とし込むことではじめて、金型メーカーは金型を製作できるからです。取り付けのための「ツメ」など、外から見ただけでは分からない車の各部品の裏側の設計や、樹脂の偏りやバリなどによる不良品を極力出さない金型にするための配慮にも、渡邊の意識の高さは表れています。デザインと金型、双方への深い見識のみならず、関係者の想いを十二分に受け止めようとする誠実さと、幾多の現場で難しい「調整役」を務められるほどのコミュニケーション力の高さ…これらを併せ持つ優秀なエンジニアである渡邊は、今後増加していくEVやHEV製造においても、「樹脂×金属」の知見を生かし活躍していくことが期待される将来が楽しみな、パーソルクロステクノロジーのエンジニアの一人です。
関連サービス「乗用車設計開発」
近年の地球温暖化・気候変動に伴い、自動車などの輸送機器には環境への配慮が求められています。そのため、省エネルギー化および排出物低減のための燃費の改善に向け、自動車の金属部品の軽量化や樹脂化に関心が集まっています。パーソルクロステクノロジーでは自動車の設計・実験に関する長年の知見を活用し、それらの自動車や関連部品の開発を行うお客様のビジネスに貢献しています。