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レポート
一年のうち3カ月を海外で過ごした20代を経て、 一人のエンジニアがたどり着いた自己実現とは?

教育に恵まれない子供が自分の道を切り開き居場所を見つけられるように。 自己実現支援プログラムを通して、子供向けアンプラグドプログラミング教室を開催

パーソルテクノロジースタッフの社員エンジニア 大関 三枝子は、20代の頃、1年のうち9カ月を派遣エンジニアとして日本で働き、残り3カ月を海外で休暇を取りながら働く、「ワーケーション」に近い働き方をしていました。結婚を機に日本に戻り、たどり着いたのはエンジニアの仕事の素晴らしさを子供たちに伝えるサポートをすること。現在はパーソルテクノロジースタッフの自己実現プログラムを利用し、教育ビジネスでは実現が難しいアンプラグドプログラミングを通して、子供たちにプログラミング思考を教えています。


実施の背景にあるのは、自分の存在意義を問い続け、 エンジニアとして道を切り開くことができた過去

パーソルテクノロジースタッフ所属のエンジニア大関が、10/3と5日の2日間、栃木県にて未就学児の児童とその親御さんを対象としたアンプラグドプログラミング教室を開催しました。

今回のイベントを企画・開催したのは当社のエンジニア大関 三枝子。 両親の離婚、DV、ネグレクト、いじめ…など壮絶な幼少期を過ごした大関は、一日でも早く社会人として独立するために、高校卒業後は親の支援なしで通学可能な進路として選んだ職業訓練校で情報技術と出会い、エンジニアとしてのキャリアをスタートしました。

当初は日本国内のIT企業で働いていましたが、ハードワークな労働環境に納得ができず退職。その後は派遣エンジニアとしてスキルを高めながら、1年のうち3カ月を海外で過ごし、残り9カ月は日本で働くというスタイルに行きつきました。そのうち、自然な流れで海外でも働くようになっていきましたが、ある日、交際0日でプロポーズを受け結婚することに。栃木県で家庭を築き、現在は2児の母として育児をしながら、パーソルテクノロジースタッフの派遣エンジニアとしてメーカーの情報システム部門で就業しています。

大関「私は複雑な環境の中で、『自分がこの世に存在する意味』について悩みながら大人になりましたが、エンジニアとして技術力を身に付けることで道が切り拓け、人との出会いを通じて、自分の居場所や存在意義を見つけることができたと感じています。ITエンジニアは資格が必須ではないので、技術さえ身に付ければ、誰でもエンジニアとして食べていくことができますし、これから需要がさらに高まっていく専門職でもあり、他の職種と比較して高い報酬が得られることも少なくありません。子供時代の私と同じように家庭環境に恵まれず自分の居場所がなくて悩んでいる子供たちに対して、ITエンジニアという仕事に触れてもらえる機会を作ることが私の使命だと考え、子供向けの体験講座を企画・実施しています」

なぜロボットが動かないのか?から学ぶプログラミング思考

10月某日、栃木県の保育園で大関が開催したのがアンプラグドプログラミング教室。「アンプラグドプログラミング」とは、パソコンを使わずにプログラミングの思考法を身に付けることができる手法で、ロボットを動かすことではなく、ロボットを動かすために必要な思考について学ぶことができるプログラムとなっています。

この日は、まず赤と白の旗揚げゲームを行いました。 人間同士で対戦してゲームを楽しんだ後は、大関が扮するロボットと子供たちが対戦します。 ロボットに向かって、子供たちは「赤あげて」「白上げて」と指示を出しますが、ロボットは手を挙げません。 そこで、「なぜロボットは手を挙げなかったのだろう?」と子供たちに問いかけます。

次は大関から子供たちに向かって旗揚げの指示を出します。 しかし、大関は「プラ上げて」と指示を出し、子供たちは理解ができず手を上げられません。

プラとは大関が長く滞在していたフィリピンの言葉で『赤』を意味する言葉です。 子供たちは、自分が『プラ』を理解できずに手を上げられなかったように、ロボットも『赤』を知らなかったから動かなかった。ロボットには何が赤なのかをインプットする必要があるということを学んでいきます。 ロボットとの旗揚げゲームを通し、なんとなくプログラミング思考の雰囲気が伝わったところで、子供たちにスマートフォンと糸電話の絵を見せ「どっちにプログラムが使われているかな?」とクイズを出題します。すると、先ほどまでプログラムを見たことも聞いたこともなかった子供たちが、「スマートフォン!」と嬉しそうに答えます。 その後も、一緒に参加している保護者の皆さんに日常生活に隠れているプログラミングについて説明します。 「お母さんたちに質問です。子供に『片付けてね~』とお願いしたのに、『まだ片付いてないじゃない!』と怒ってしまうことはありませんか? ぜひこういった時もプログラミング思考を取り入れてみてください。多くの場合は『何を』『どこに』『どんな風に片付ける』のかという具体的な指令=プログラミングがされていないことが原因です。『机の上のクレヨンは箱に入れて棚の上に置く』など正確に指示をすることが実はとても大切なのです」 一緒に参加していた親御さんにとっても、家庭や子育ての悩みと重なる気付きが多い内容だったようです。

プログラミング思考を理解した後は、おもちゃのネズミを使って動かして、指示通りに動くかどうかを実践して楽しみながらプログラミングについて学びました。

教育ビジネスでは難しい、思考を学ぶプログラミング教育を パーソルテクノロジースタッフの自己実現支援プログラムで実現

子供のプログラミング教育において取り入れられているケースがまだ少ない「アンプラグドプログラミング」を選んだのは、様々な国をめぐり多様な文化に触れ、語学力とコミュニケーション力を身に付けた大関のバックグラウンドにあります。

大関「息子の同級生たちを見ていると、保育園が終わった後に英語やプログラミングなどの言語を習いに行っている子が多いのですが、ロボットやアプリケーションを動かすことを目的としている成果型のプログラミングスクールに通うのを見て違和感を覚えたことがありました。言語は物事を伝えるツールでしかありません。文法や単語を100パーセント理解していたとしても、『誰とも話したくない』というのでは意味を持ちません。プログラミング教育においても、プログラミングを組むことよりも、その必要性や思考を学ぶことがまずは大切だと思いますが、企業が行っているプログラミング教育は、保護者へ分かりやすく伝えられる成果を出さなければならないので、ロボットを動かすことを目的としたカリキュラムになりがちです。そこで本当の意味でのプログラミング的思考を学ぶことができるコンテンツを提供したいと考えていました」

現在は保育園などを中心に親子で参加するプログラムを実施していますが、今後は、大関が目指す「家庭や教育に恵まれない子供にITエンジニアという仕事に触れてもらう」ことができるよう、自治体や児童養護施設との連携したプログラムを検討しています。

年間100万円まで、自己実現やスキルアップ等に利用できる パーソルテクノロジースタッフの自己実現支援プログラム

パーソルテクノロジースタッフには、社員が自己実現や自信の成長につながる活動に対し、年間100万円を上限に費用面でのサポートを行う自己実現支援制度があり、大関はこの制度を利用しています。

大関「子供向けのプログラミング思考を学ぶ研修を実施したいと思った時に、自己実現支援プログラムを知りました。活動が成功する保証はどこにもありませんでしたが、事前に事務局へ相談したところ、『成果を出すことではなく、チャレンジそのものを支援するプログラムなので、失敗しても良いからチャレンジしてください』と言われて応募し、開催に必要な費用については全額支援を受けています」

パーソルテクノロジースタッフでは、エンジニアの自己実現に関する様々な支援を行っています。 技術的な幅や深さの習得・成長だけではなく、大関のようにエンジニアとして働く意義を一人ひとりがより強く感じられるような社外活動などもサポートしています。 本支援プログラムは、パーソルテクノロジースタッフの社員全員がエントリー可能。50万円未満の申請は書類審査のみ、50~100万円の申請は社内プレゼンテーションが選考プロセスに含まれます。2018年度、2019年度の開催においては申請者のうち7割以上が支援金を獲得し、既存の学習サポートプログラム(上限10万円)では不足する高額な教育プログラムやMBA取得に際しての講座受講や、語学力向上のための学習、エンジニアの価値向上につながるような対外的なイベント開催など、これまでにのべ50名が利用しています。次回の自己実現支援プログラムは2021年5月頃にエントリー開始予定で、エントリー期間内であれば入社即日から申請が可能です。


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