事例
エンジニア領域の様々な技術課題に
対応しています。
排出ガス規制に伴う建設機械のエンジン換装を全行程で支援し、開発リソース不足を解消。
~商用車開発の知見を活かし、動力装置、冷熱系部品、フレーム、センサーなどの設計からコスト計算、試験機評価まで対応~
建設施工において、機械化施工が大気環境に与える負荷の軽減を目的として、排出ガス性能の良い建設機械の普及促進及び排出ガス対策が求められています。国土交通省は、排出ガス基準値を満たした建設機械を指定する制度※1を平成3年度より実施しており、建設機械メーカーは基準に適した機械の製造・販売が義務付けられています。
しかし排出ガス規制に対応した建設機械の開発においては、規制対応エンジンへの換装に伴う変更が多岐にわたるため、その開発には膨大な工数を必要とします。
パーソルクロステクノロジーには、自動車開発に関する豊富な知見と高い技術力を持ったエンジニアが数多く在籍しているため、難易度の高いエンジン換装業務もトータルでサポートすることが可能です。
今回は、さまざまな建設機械メーカーでの支援を行ってきた中で見えてきた共通の課題と、その支援内容、支援結果などをご紹介します。
活用事例
導入前に抱えていた課題- エンジンを換装するに当たり、関連して変更する箇所が多岐にわたるため、自社のエンジニアでは工数が足りなかった。
- 自社内の人材不足が深刻で、本来行うべき新規開発業務などのコアな業務に遅延が発生していた。
- 仕様違いで数十種以上のラインナップがあるモデルもあり、それらすべてを対応しなければならない。
- 油圧ショベルやホイールローダーなどの建設機械の開発を一括でアウトソーシングできる企業が少なく、どこに依頼をすればよいか困っていた。
代表的な支援内容
こちらは、数ある油圧ショベルやホイールローダーのラインナップの中から、ベースとなるモデルについてのエンジン換装業務の支援を行った例です。規制対応エンジンへの換装を行うといっても、ただ載せ換えるだけではなく、関連する箇所の変更・設計業務は多岐にわたります。主な設計内容、対象となる装置・部品、設計サービスの詳細、成果物(納品物)は下記の通りです。
区分 | 対象装置・部品 | 設計サービス詳細 | 成果物 |
---|---|---|---|
搭載設計 | 動力装置 | エンジン(マウント構造含む) |
|
排ガス後処理装置 | SCR触媒、尿素水添加装置、尿素水タンク、LLC遮断弁 | ||
適合設計 | 冷熱系部品 | 熱交換器適合設計、冷却用ホース設計 | |
吸気系部品 | 吸気抵抗計算、エアクリーナー選定、吸気ダクト、ホース詳細設計 | ||
排気系部品 | 排気抵抗計算、エキゾーストパイプ詳細設計、環境部品の熱害対策 | ||
後処理系センサー | NOxセンサー・排気温度センサー・差圧センサーの仕様適合レイアウト | ||
構造物設計 | フレーム、骨格物 | 上記変更に関連するフレーム、ブラケットの設計、解析強度検討 | |
配管設計 | ホース、パイプ | 燃料配管、キャビンヒーター・クーラー配管の設計および実装 | |
尿素配管、解凍配管 | 尿素配管・尿素タンク温水配管の解凍性能検討および実装 | ||
調整業務 | 全担当部品 | 試作機の工場組み立てでの課題の暫定対応と恒久設計対応 | |
試験機評価の結果対応 | |||
部品調達先との技術的調整および納期調整の実施 |
導入効果- 数々の受託業務を経験し、開発設計業務の経験も豊富なエンジニアをアサインしたことで、自社のエンジニア不足を解消。
- 本来、自社のエンジニアが行うべき新規開発業務などのコアな業務の遅延が解消。
- パーソルクロステクノロジー1社に任せることでスムーズな業務連携と共にコストも抑えることができた。
- 規制対応エンジン換装に関する最適な手法や、今後につながる知見が各社に蓄積されており、これらの手法は当社に依頼いただいている間は常に蓄積され続けている。
パーソルクロステクノロジーでは、多くの商用車開発の経験と技術力の高さから、油圧ショベルやホイールローダーなどの建設機械、除雪車などの特殊車両の開発実績があるほか、お客さまに実施している「開発業務に関するアンケート」では、毎年高評価をいただいています。
車両開発については、しっかりとヒアリングすることで潜在的な課題を引き出し、課題解決に最適な手法を提案。
コスト管理を含む企画構想支援から車両設計、CAEによる構造解析・流体解析、モデルベース開発(MBD)、そして実験までトータルで開発のサポートを行うことが可能です。
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