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パーソルクロステクノロジーに関するニュースについて紹介します。
2021年3月30日
パーソルR&D株式会社
パーソルR&D、自動運転AI開発に欠かせないアノテーションを施した
機械学習用教師データの一括提供サービスを開始
~車両走行から教師データ準備まで対応可能に。本格化する自動運転車開発に貢献~
総合人材サービス、パーソルグループにおいて技術系エンジニアリング事業を手掛けるパーソルR&D株式会社(本社:愛知県名古屋市中区栄3丁目18番1号、代表取締役社長:礒田 英嗣、以下 パーソルR&D)は、自動運転AI開発に欠かせないアノテーション※1を施した機械学習用教師データ※2提供までの一括したサービスを2021年4月から開始することをお知らせいたします。
※1:画像や音声などのデータに対し情報を注釈として付加すること
※2:機械学習:データから規則性や判断基準を学習し、それに基づき未知のものを予測、判断する技術
教師データ:機械学習における例題と答えについてのデータ
■背景:自動運転車開発の本格化により機械学習用教師データ準備の課題感が浮き彫りに
自動車の先進運転支援システム(Advanced Driver-Assistance Systems、以下ADAS)は、さらに高度化が進み、2020年11月には世界で初めて自動運転レベル3の型式指定※3が行われるなど、いよいよ自動運転を目指す開発が本格化しています。
レベル3の自動運転車では「特定条件下における自動運転」が可能※4となります。高速道路上などでドライバーが行っている「認知」「判断」「操作」を、自動運転AIが「認知」「判断」し、正確な車両「操作」を行います。自動運転AIには、車両周囲を計測・判別するセンサーが収集した情報を基に、認知・判断を行うための機械学習結果が必要となります。この自動運転AI開発に欠かない機械学習用教師データの準備には、膨大な時間と手間を要し、開発の大きな課題となっています。
そこでパーソルR&Dは、これまでの「ADAS試験受託」と「モデルベース開発(MBD)」※5のノウハウと強みを生かし、乗用車のみならず大型トラックにも対応した公道での車両走行から各種データ取得、自動運転AIの機械学習用教師データ提供までの一括サービスを開始します。
※3:https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_003888.html
※4:自動運転車の定義及び政府目標 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001371533.pdf
※5:ADAS試験受託 https://www.persol-rd.co.jp/news/release/20201020-000000.html
モデルベース開発(MBD) https://www.persol-rd.co.jp/service/mbd/
■サービスの概要
本サービスでは、自動車の開発メーカーやサプライヤーなどに、自動運転AIの機械学習用データを一括でご提供します。ご要望に合わせた走行ルート設定および大型トラックを含む各種車両の実走行を実施し、走行時の道路情報、車両・画像データを計測・取得するとともに、画像データにアノテーションを施した「教師データ」を作成します。サービス内容はご要望に応じカスタマイズが可能です。
元画像データ
バウンディングボックス
(矩形領域で対象物を明示するアノテーション手法)
セマンティック・セグメンテーション
(各画素がどのカテゴリーに属するかを明示するアノテーション手法)
■本サービスの特徴
1.画像データに加え、車両走行データも同時に取得
公道の歩道橋やトンネル、橋などには「高さ制限」や「重量制限」などがあり、トラック特有のデータ取得も必要です。画像データ取得に合わせ、走行環境や車両データ取得などのご要望にもお応えします。乗用車に限らず大型トラックの走行も、熟練したドライバーが担当します。
2.既存の画像データへのアノテーション実施も可能
ドライブレコーダーから取得できる画像データも増えてきており、既にお持ちの画像データにアノテーションを行うことも可能です。
3.アノテーション自動化による時間短縮
本サービスではMathWorks社のツール※6を活用して、アノテーションの自動化を実現しており、手作業での実施よりも作成時間を約60%削減できます。また、MathWorks社のグラウンド トゥルース ラベラーを用いることで、アノテーション自動化結果の、より詳細な修正が可能です。
※6:MATLAB® / Automated Driving Toolbox™ / Deep Learning Toolbox™ / Computer Vision Toolbox™ / Image Processing Toolbox™
4.自動運転以外への応用
アノテーション手法としては、バウンディングボックスとセマンティック・セグメンテーションが代表的ですが、自動車以外の自動走行も近年増加しており、超小型モビリティや電動カート、家電領域などの開発で幅広く利用されている、YOLOv3※7を活用したアノテーションへも対応します。
※7:入力された画像から物体の位置と種類を検出するAIプログラム
パーソルR&Dはこれからも、自動運転開発をサポートし、より安全で快適なモビリティ開発に貢献してまいります。
■パーソルR&D株式会社について<https://www.persol-rd.co.jp/>
パーソルR&D株式会社は、自動車、航空宇宙、ロボット、デジタル家電などの領域で、技術コンサルティング、一括請負、部分請負、技術者派遣にて、企業様の設計・開発をサポートしています。
これからも、機械・電気電子・制御ソフト分野の設計、実験・認証サービス、モデルベース開発(MBD)の技術を駆使し、設計、研究開発から実験までの「ワンストップサービス」を提供してまいります。
■「PERSOL(パーソル)」について<https://www.persol-group.co.jp/>
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様な事業を展開しています。グループの経営理念・サステナビリティ方針に沿って事業活動を推進することで、持続可能な社会の実現とSDGsの達成に貢献していきます。
また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも積極的に取り組み、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、テクノロジー人材のエンパワーメントと企業のDX組織構築支援を行う「TECH PLAY」、クラウド型モバイルPOSレジ「POS+(ポスタス)」などのサービスも展開しています。
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