コラム

Salesforceとは何か?できることや導入メリット、活用事例を解説

DX推進・IT活用

目次

    営業やマーケティング、カスタマーサービスの改善を目的にSalesforceの活用を検討されている企業も多いのではないでしょうか。

    Salesforceには、多種多様な機能があります。適切に活用するためには、Salesforceを正しく知ることが重要です。この記事では、Salesforceでできること、導入によるメリット、活用事例などをご紹介します。Salesforceの機能や特徴を把握したうえで、売上や利益、業績のアップを実現しましょう。

    Salesforceとは何か?

    Salesforceは、マーケティングから営業活動、顧客関係管理を通してよりよい顧客体験を提供するクラウドベースのプラットフォームです。主に以下のようなアプリケーションを提供しています。

    • Sales Cloud(CRM/SFAツール)
    • Service Cloud(カスタマーサービスを支援するツール)
    • Marketing Cloud(マーケティング活動を支援するツール)
    • Marketing Cloud Account Engagement(リードナーチャリングやリードクオリフィケーションをあと押しするツール)
    • Salesforce Platform(Salesforceの管理や、ノーコードツールによるアプリの作成)

    これらのアプリケーションを上手に使うことで、ビジネスを円滑に、かつ効率的に進めることができます。

    Salesforceの主なサービス

    Salesforceにはさまざまなサービスが含まれます。代表的な5つのサービスについて、その内容を確認していきましょう。

    Sales Cloud

    Sales Cloudは、営業活動を自動化し生産性の向上に役立つCRM(顧客管理)/ SFA(営業支援)システムです。リード(見込み客)の情報や日々の営業活動を記録、部署全体で共有し、売上の予測を素早く知ることができます。売上が伸びない原因も分析でき、適切な対策が立てられます。Sales AIと連携すれば、AIの活用による生産性や成約率のアップも期待できます。

    Service Cloud

    Service Cloudはカスタマーサービスを支援するツールです。顧客満足度の向上とサポートコストの削減、生産性の向上を実現し、Win-Winの関係づくりに貢献します。顧客から寄せられる問い合わせの内容や応対履歴、回答例などのナレッジを、AIを活用したワークスペースで共同管理。顧客の困りごとに対して迅速な回答を実現します。生成AIによる自動返信も可能です。電話やメールなど問い合わせのチャネルが異なる場合でも共通で管理できます。

    Marketing Cloud

    Marketing Cloudは、よりよいマーケティングを実現するツールです。顧客情報や顧客との接点をもとにリードに合ったメッセージを配信し、顧客の状況にマッチしたコミュニケーションを実施します。ランディングページの作成も可能です。

    マーケティング施策を一括して管理できることもMarketing Cloudの魅力です。マーケティングの効果はレポートで確認でき、状況に合った適切な施策が打てます。

    Marketing Cloud Account Engagement(旧:Pardot)

    One to Oneマーケティングを実施してリードを育成し、受注確度の高いリードを営業部門に提供するツールです。メールやSMS、パーソナライズド広告など、さまざまな方法を活用してリードの興味・関心に合ったコンテンツを提供。顧客生涯価値を高めるとともに、成約数や利益の増加にもつなげます。

    Salesforce Platform

    業務に必要な機能が搭載されていない場合でも、Salesforceなら心配いりません。Salesforce Platformを使えば、マウス による操作を中心とした、ローコードツールでの機能を作成できます。あるいは、任意のオープンソース言語を活用してAI搭載の高度なアプリを作成することも可能です。セキュリティもしっかり確保されています。

    Salesforceでできること

    Salesforceはさまざまな業務に役立ちます。ここでは、5つの業務に関してSalesforceを用いるメリットをご紹介します。

    顧客情報の一元管理

    営業、マーケティング、カスタマーサービスなど、顧客に関わる部門で扱う情報の一元管理は、Salesforceの活用で実現できることの代表例です。登録した顧客情報はSalesforceのシステム間で共通利用が可能。アプリによって顧客コードが異なるなどの問題は起こりません。

    氏名や商談履歴、購買履歴などの顧客接点を一元管理すれば、情報の散乱が防げます。これにより、正しい情報による対応の迅速化、引継ぎミスの防止、機会損失の抑制など、さまざまなメリットがもたらされます。

    営業・マーケティング業務の効率化

    業務の効率化もSalesforceの活用で実現できることの1つです。日々の営業活動や商談の進捗状況、顧客からの問い合わせ内容などを管理画面でチェックできます。情報を迅速に共有できるため、有事の際も適切な対応を素早く指示することが可能です。

    また、レポートやダッシュボードでは、自社や競合他社の現状、売上実績や予測値などがチェックできます。課題を早期に知ることで、受注率や売上の向上、カスタマーサービスの迅速化が期待されます。

    リードナーチャリング

    リードに自社の情報を提供し、購買意欲を高めて成約しやすくする取り組みを、「リードナーチャリング(見込み客の育成)」と呼びます。

    問い合わせや資料請求をしたリードの多くは、すぐに商談したいと望む「今すぐ客」(ホットリード)ではなく、将来に向けて検討したいと思う「そのうち客」です。Salesforceでは、リードナーチャリングによって有望なリードの発掘ができます。受注確度の高い顧客を選定して営業に連携することで、成約率の向上につなげます。

    CS(顧客満足度)の向上

    Salesforceは、CS(顧客満足度)の向上にも役立ちます。顧客とのやり取りを記録に残せるため、問い合わせに迅速に対応できるようになります。担当者が不在だったり担当者が変わったりした場合でも心配ありません。電話、メール、SNSといった多様なチャネルに対応しているため、顧客からのお問い合わせに対して、同じチャネルもしくは希望しているチャネルですぐに対応することが可能です。

    また、社内に蓄積したナレッジをFAQとして体系化することで、サポートコストの削減と対応時間の短縮、生産性の向上が実現するでしょう。

    ローコードによるアプリケーション開発

    Salesforce Platformでは、アプリケーションの実行や管理、最適化もおこなえます。搭載されていない機能があっても他社製品を探す必要はありません。ノーコードやローコードでアプリケーションが開発でき、足りない機能を簡単に導入できます。これによりトータルでのITコストを削減できます。

    企業がSalesforceを導入するメリット

    Salesforceの導入により、企業はさまざまなメリットが得られます。6つの項目について得られるメリットをご紹介します。

    スモールスタートできる

    Salesforceのアプリケーションはクラウドで提供されます。事前にサーバーやソフトウェアを購入する必要はなく、契約を済ませて初期設定を終えればすぐに利用を始められます。費用はユーザー数に応じて月々課金されるので、ビジネスを立ち上げたばかりの企業でも低コストでスタートできます。

    Salesforceでは、機能追加や最新バージョンへの自動更新も料金に含まれます。契約者は常に最新版のアプリケーションを使うことが可能で、保守やアップデートの負担も軽減できます。

    部門間の連携と情報共有が円滑になる

    Salesforceでは、営業、マーケティング、カスタマーサービスなど、複数の部署を横断するサービス「Salesforce Customer 360」を提供しています。顧客を中心とした360度の顧客ビューに視野を広げることで、顧客の情報をリアルタイムで共有し、個々の顧客に対してパーソナライズされたサービスが提供できるようになります。

    「Salesforce Customer 360」を活用すると、対応品質の向上や意思決定の迅速化、引き継ぎミスの防止などが実現します。顧客満足度がアップし、よりよい顧客体験も提供できるようになるでしょう。

    営業生産性が向上する

    営業生産性の向上も、Salesforceを活用する代表的なメリットです。モバイル端末を利用すれば、外出先から顧客情報が確認できます。また、日報や商談の結果をその場で入力できるため、管理者は部下の営業活動をいつでもチェックできます。入力だけのために帰社する手間も省けるため、部署全体の生産性が向上します。

    Salesforceなら、売上の予測もおこなえます。正しい情報をもとに営業戦略が立てられるため、より確実な売上や利益のアップにつなげることも可能です。

    マーケティングROIが向上する

    営業部門の理想は、リードに対して営業活動をおこない、そのすべてを成約に結び付けること。Salesforceなら、その理想に近づくことが可能です。マーケティング部門でリードの選別をおこない、ホットリードだけを営業部門と連携することで、成約率のアップが実現できます。

    Salesforceでは、Marketing CloudやMarketing Cloud Account Engagementを活用し、有望なリードを効率的に発掘しつつ適切なリードナーチャリングをおこないます。これにより、営業部門は成約しやすいリードに対して集中的にリソースを投下でき、マーケティング部門はリードの成果を追跡できます。結果、マーケティングROI(投資利益率)の向上が見込めます。

    自社業務に合わせてカスタマイズできる

    Salesforceは標準の状態でも豊富な機能を備えていますが、カスタマイズして必要な機能を追加することも可能です。APIなどを活用して外部のシステムやアプリケーションと連携もできます。自社の業務やシステムに大きな変更を加える必要がないため、導入後も大きな変化に戸惑うことなく、安心して業務を進められるでしょう。

    セキュリティとサポート体制が整備されている

    Salesforceはセキュリティも万全です。アメリカの監査基準であるSAS 70 Type IIや、EU諸国で適用されるGDPRプライバシー法、アメリカのHIPAAプライバシールールなどに準拠しており、企業の導入に欠かせない高レベルのセキュリティ基盤が整備されています。

    利用者に対するサポート体制も万全です。「Trailhead」をはじめとした無料・有料の学習サービスやパートナーによる支援を提供。導入から定着まで、安心できるサポート体制が整っています。

    Salesforceを使いこなすコツ

    続いて、Salesforceを使いこなすための5つのコツをご紹介します。

    導入前に目的と課題を明確にする

    システムの導入にあたっては、顧客情報の一元管理、営業の見える化、対応品質の向上など、あらかじめ目的と課題を明確にしておきましょう。それにより導入後の適切な評価が可能となり、業績の向上にもつなげられます。

    小さく始めて段階的に拡大する

    Salesforceの機能は多岐にわたります。はじめからすべての機能の活用を試みると、運用開始までに想定外の時間を要してしまい、計画倒れに終わってしまうかもしれません。

    Salesforceを使うなら、スモールスタートをおすすめします。以下の機能を選んで利用を始めるとよいでしょう。そうすることでSalesforceの導入効果を感じやすくなり、社内からの導入への賛同を得やすくなります。現場での定着も促せるでしょう。

    • 業務に直結する機能
    • 導入が容易な機能
    • 導入効果が高い機能

    自社に合ったカスタマイズを検討する

    必要とする機能がSalesforceに搭載されていない場合は、カスタマイズを検討することになります。Salesforce Platformを活用してノーコード/ローコードでのアプリ開発を進めましょう。
    本番環境をコピーしたSandbox(サンドボックス)環境を利用することで、運用中のデータやシステムに影響を与えることなくカスタマイズの内容を検証できます。

    状況によっては、「カスタマイズするためのリソースがない」「自社のノウハウに限界がある」などの悩みがあるかもしれません。そんな場合は、Salesforceに詳しい外部パートナーと連携することで安心して導入を進められます。

    サービス:Salesforceコンサルティングサービス

    社内トレーニングと運用ルールを作成する

    Salesforceに搭載されている機能を使いこなすためには、一定以上のスキルと学習時間を要します。効果的に学習を進めるためにはさまざまな工夫が必要です。現場向けマニュアルの作成や勉強会の活用も有効な手段となります。

    また、Salesforceでは以下のような学習メニューを提供しています。従業員のスキルアップを目指したい場合はぜひ活用を検討してみましょう。

    • Trailhead(無料のオンライン学習)
    • 認定講師によるトレーニング

    活用状況を可視化して継続的に改善する

    Salesforceを用いてよりよい業務を実現するためには、活用状況の可視化と継続的な改善が欠かせません。ダッシュボードやレポート機能を活用して可視化と改善の取り組みを続けましょう。

    また、現場の声を反映すること、長期的に取り組むことも円滑な運用には必要です。PDCAを回しながら継続的な改善をおこない、着実に成果を上げていきましょう。

    Salesforceの活用事例【業界別】

    Salesforceはさまざまな業界で活用されています。ここでは3つの業界を取り上げ、活用事例と得られた効果をご紹介します。

    製造業:情報の一元管理

    製造業を手がけるA社では、部署ごとに顧客情報が分散されていることが課題でした。この課題を解決して顧客中心のビジネスモデルを構築するため、Salesforceを導入。顧客情報をService Cloudに集約し、情報共有プラットフォームの統一を進めました。顧客とのつながりを維持する会員制サイトもSalesforceを活用してパーソナライズに構築。顧客への適切な提案につながっています。

    サービス業:マーケティング活動の精度向上

    マンション一括受電サービスを提供するB社は、以前はDMやチラシなど紙ベースのマーケティング活動が中心でした。しかし、Marketing Cloudの導入によりマーケティングのDXを推進。顧客に応じた最適な施策を取ることで50%以上のメールの開封率を達成しました。

    IT・通信業:問い合わせ対応の効率化

    運輸業系のIT企業であるC社では、時間外に問い合わせをしてきた顧客に対する充実した対応が求められていました。この課題を解決するため、Service CloudとEinsteinボットを導入。顧客が入力した問い合わせ内容をもとに関連する選択肢を提示して、そのなかから選んでもらう方法で対応しています。多くの顧客に対して時間を問わず効率的に有効な対応を提供できるようになり、有人での対応率は3分の1程度に低下しました。

    Salesforceの活用で悩んだら一気通貫の伴走型支援がおすすめ

    Salesforceにはさまざまな機能がありますが、事業に活かしたいなら、それぞれの機能の特徴を把握したうえで適切に活用することが必要です。しかし、短期間でSalesforceの特徴を把握し、適切な使い方を見出すことは簡単ではありません。

    もしSalesforceの活用で悩んだら、専門業者による一気通貫の伴走型支援の活用をおすすめします。

    パーソルクロステクノロジーでは、Salesforceコンサルティングサービスを提供しています。貴社の課題をていねいにヒアリングしたのち、Salesforceに関する豊富な知識と経験を活用して、貴社に合った活用方法を提案。構想の策定からSalesforceの運用・保守、内製化に向けた支援まで、一気通貫で伴走します。

    Salesforceの活用を検討されている企業は、ぜひパーソルクロステクノロジーにご相談ください。

    サービス:Salesforceコンサルティングサービス

    • Salesforceはsalesforce.com, inc. の商標です。

    この記事をシェアする

    お急ぎの場合は、フリーダイヤル(0120-450-551
    にてお問い合わせください。

    【受付時間】9:00〜19:00(月〜金) ※土日祝祭日を除く