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「優秀な人材の獲得が年々難しくなっている」「せっかく採用できたと思ったら、すぐに離職してしまった」。エンジニアの採用に携わる担当者の方から、そうした声をよく耳にします。なぜ優秀なエンジニアの採用・⾧期雇用が難しいのでしょうか? 採用担当者を悩ませるこの理由を取り上げながら、解決に向けたポイントについてご紹介します。
優秀なエンジニアの採用・定着を阻む理由
経済産業省が2019年に公表した「IT人材需給に関する調査」によれば、IT需要が拡大する中でIT人材の需要と供給においては、需要が供給を上回り、その差は2030年には最大で約79万人近くに拡大する可能性があると試算されています。
出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省)
(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf 図3-11 IT人材需給に関する主な試算結果①②③の対比)を加工して作成
少子化の影響で就労者そのものが減少していく状況に加え、"売り手市場"のエンジニアにあっては、優秀な人材は既に高待遇で雇用されているケースが多く、現状すでに人材不足であるエンジニアは、今後ますます採用が難しくなることが予想されます。
エンジニアのスキルを見極めるのが難しい
専門職であるエンジニアを採用する場合、応募者のスキルを見極めることが大切になります。しかし、採用担当者は文系出身者である場合が多く、エンジニアの職域に明るくありません。そのため、専門的な技術・知識への理解が及ばず、現場が必要とするレベルの技術を持ち合わせているか否かの判断が難しい場面があります。また、面接の場で、履歴書などには書かれていない"プラスα"の価値をうまく引き出せないまま、採用を見送ってしまうという懸念もあります。
一方、実際の就業場面ではスキルだけでなく、複合的な知識や周囲とのコミュニケーション力が求められます。それらを加味して総合的に自社にマッチしている人材かを見極めることはさらにハードルが高くなります。
せっかく採用できても、すぐに離職されてしまう
IT業界の採用担当者を悩ませる要因の一つに離職率の高さが挙げられます。せっかくエンジニアを確保できたとしても、職場への定着率が悪ければ人材不足は解消しません。
離職の原因の一つには、採用のミスマッチが考えられます。スキルや経験の見極めに失敗し、現場のニーズに合わないケースがある一方で、応募者の職場への適正が把握できていない、応募者に対して企業文化や職場環境が伝えきれていないことが原因で、期待する能力を発揮する前に早期離職してしまうケースも。これは採用する側、される側の双方にとってアンハッピーと言わざるを得ません。
優秀なエンジニアの採用・定着に向けて、企業が行うべき取り組みとは?
前述したエンジニア採用の課題を乗り越えるには、優秀なエンジニアに"選んでもらえる"企業になり、彼らを満足させる就業環境を提供する必要があります。そのための3つのポイントをご紹介しましょう。
1)求める具体的な人物像を定める
応募者側からみると要件が曖昧であるケースは少なくなくありません。まずは採用したいエンジニアの人物像を明確にし、伝えるべき要件を応募者に提示することが大切です。次の3つを明確にし、何を求めるのかを具体的に提示しましょう。
必要となるエンジニアの役割
プロジェクトや業務の内容から、どのような役割のエンジニアが必要なのかを明確にする。
求める要件
エンジニアを求めている背景から必要なスキル、そのレベル、経験年数、これまでの実績など、求める要件を明確にする。例えば「経験年数3年」と提示するなら、採用者自身がなぜ3年と提示しているのか、その理由を理解し説明できるようにしておく。
要件の優先順位
スキルはもちろん、コミュニケーション力やマネジメント力など、求める要件は多岐にわたるが、すべてを満たすエンジニアを採用するのは困難。求める要件に優先順位をつけておく。
2)仕事の魅力や企業文化をしっかりと伝える
選考から内定への過程において、辞退者が出て採用が滞る場合、仕事の魅力や企業文化を伝えきれていない可能性があります。
経済産業省が2017年に公開した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、エンジニアが【転職時に重視すること】の1位は「給与・報酬( 75.3% )」、2位・4位が仕事内容に関すること、5位が「企業の雰囲気・人間関係( 19.8% )」になっています。
出典:「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」(経済産業省)
(https://www.meti.go.jp/press/2017/08/20170821001/20170821001-1.pdf 図 転職時に重視すること)を加工して作成
つまり転職先を選ぶに際し、給与だけでなくその他の条件を複合的に考慮していると考えられます。応募者は企業が提示している給与や待遇を理解・納得したうえで応募しているにもかかわらず、選考や内定の時点で辞退をするということは、仕事の魅力がうまく伝わらなかった、あるいは企業の雰囲気や社風が合わないと感じたのかもしれません。逆に言えば仕事の魅力や企業文化のアピールの仕方で、応募者の反応が変わる可能性は十分考えられます。
対策としては、仕事の内容や社風が伝わる資料やコンテンツを複数用意します。例えば、リクルートサイト内に社内風景の写真を多数掲載する、同僚や先輩となる人のインタビューコンテンツを用意するなど。それらをもとに面接用の説明資料を作成するといいでしょう。
3)長期就業に向けた環境を整える
働き方改革が進み、応募者の意識も大きく変化しています。前述のエンジニアが【転職時に重視すること】の調査でも、3位に「ワークライフバランス」が上がっており、早期離職を防ぐためには多様性のある就業環境の整備が必須といえます。
さらに迎え入れるチームメンバーとの円滑なコミュニケーションや無理のないペースで能力を発揮しながら、徐々にステップアップできるような配慮も必要です。エンジニアたちの働き方に関する要望に耳を傾け、できる範囲で働きやすい環境づくりに取り組むことで、優秀な人材の流出を防ぎたいものです。
豊富な人材とスピーディーな対応で選ばれる『パーソルクロステクノロジー』
エンジニアの活用においては、派遣会社へ依頼するケースも多いのではないでしょうか。派遣会社を利用することで、双方の希望や条件に寄り添いながらマッチングを図ることができ、ミスマッチを防ぐことができます。
また、派遣会社の利用を検討される場合は、以下の項目が当てはまっているか確認してみましょう。
【派遣会社のチェックポイント】
- 求めるエンジニア像について、細かく質問をしてくるか
- スキル面だけでなく、企業文化や雰囲気を知ろうとしているか
- エンジニアが求める働き方について深く理解しているか
パーソルクロステクノロジーは、エンジニアの派遣に強みと実績を持ちます。当社の営業はエンジニアに求められるスキルや技術に関する知見があり、そのため、専門的な要件に対する理解も深いため、企業の現場担当者さまから採用に関するご相談を受けるケースが珍しくありません。深い知見と豊富な人材、さらにスピーディーな対応力により、多くの企業へ最適な人材をご提案しています。
⇒その他、パーソルクロステクノロジーの特長については『当社について』でもご紹介しております。併せてご覧ください。
さいごに
自社が求める優秀なエンジニアを採用し、働き続けてもらうために。企業が取り組むべき採用活動や就業後のフォローとして押さえておきたいポイントをご紹介しました。
- 求めるエンジニア像を明確にすること
- スキル面のマッチングのみを重視するのではなく、仕事の魅力や企業文化についてもしっかりと伝えること
- 働きやすい環境づくりに取り組むこと
いずれも採用活動においてはスタンダードな取り組みです。しかし、改めて一つひとつを掘り下げてみると現状の取り組みでは足りていない、網羅できていないということがあるのではないでしょうか。
エンジニアの採用でお悩みのご担当者さまは、ぜひこれらのポイントを参考に今一度、自社の採用活動を見直してみてください。