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エンジニア不足解消のカギはシニア人材にあり。今ベテランを採用すべき理由
人材・組織

目次

    急速にデジタル化が進む昨今。社会の変化に加えて少子化も影響し、世の中でエンジニア不足が深刻化しています。そんな状況のなかで注目されているのが、シニア層エンジニア。キャリアを積み重ね確かな技術を持つ人々に対して、実際に多くの企業が受け入れを活発に行っているようです。

    そこで、今後の企業構成を踏まえたシニア層の就業状況や受け入れ時のポイントを紹介していきます。

    市場におけるシニアの活躍

    出典:令和2年 製造業・情報通信業の年代別就業者数
    「令和2年 労働力調査年報」(総務省統計局)を加工して作成
    https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2020/index.html

    まずはじめに、今日の日本におけるエンジニアの就業者数に触れていきます。労働力調査年報によると、令和2年時点では45歳以上の就業者数が約半数であることが分かります。そのうち50歳以上は、就業者数全体のうち1/3以上を占めていることからも、市場におけるシニア世代の活躍がわかります。一方、団塊ジュニア世代(1971~74年生)に該当する45-49歳をピークに、それ以下の世代では年齢が低下するごと就業者数は減少。少子化が進んでいる過程が見て取れます。

    企業でシニアの採用・活用が加速している

    調査対象:パーソルテクノロジースタッフ(現:パーソルクロステクノロジー)の就業情報(2021年1月~2021年9月)

    次にエンジニアの求人集計データより、50代以上の就業実績の変化に注目します。2021年1月から9月の変化を見ていくと、右肩上がりに上昇し、(1月と比べると)9月の就業実績は2倍以上になっています。7月〜9月の伸び幅が特に大きいことからも、まさに“今”が上昇の真っ只中であり、今後も継続的に上昇していくでしょう。市場でシニア世代が活躍している現状に加え、企業も採用を強化しはじめていることがわかります。

    有効求人倍率からみたシニア受け入れの有効性

    年代別の就業者数、年齢別求人実績から、シニア層が市場において重要な役割を果たしていることがわかりました。次に、有効求人倍率に目を向けながらシニア世代の採用市場を見ていきます。

    出典:「関東労働市場圏有効求人・有効求職 年齢別バランスシート(一般常用)」(厚生労働省)より抽出
    https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000998151.pdf

    関東労働市場圏の専門的・技術的職業の有効求人倍率を見ていくと34歳以下が1.73倍、35-44歳が1.56倍となっている一方で45-54歳が1.39倍、55歳以上が1.14倍となり、年齢が高くなるにしたがって倍率が低くなる傾向にあります。早期にシニア求人を実施することで、優秀なシニアエンジニアとの出会いにつながる可能性があります。

    長期就業による生産性向上、豊富な経験と技術力で組織貢献へ

    従来の終身雇用の概念が根強かった時代、企業では「長く働いてほしいから若手を採りたい」という声が強くありました。しかし、SNSの台頭による他者のキャリアとの比較が容易になり、転職に対するハードルが下がってきています。その結果、年齢別就業年数は20代で1.4年、30代で2.2年となっています。一方、50代以上では3.0年となっており長く就業するシニア像が浮かび上がってきます。加えて60歳以上であれば法令による期間制限の対象外となるため、3年以上の長期就業も可能です。

    エンジニアのような専門職は学習コストが高く、当該業務に慣れてもらうオンボーディングの期間が必要不可欠です。短期離職する若手ではなく、定着するシニアを受け入れることで企業全体の中長期的な生産性向上も期待できます。

    パーソルテクノロジースタッフ(現:パーソルクロステクノロジー)の就業情報

    その他にも、キャリアを重ねて培われてきたシニアの技術力と経験は様々な場面で活かされます。

    特に、入社当初は社内環境に染まっていないからこそ、内部にはわからない組織や業務の問題点に気付くことができます。そういった問題点を改善してもらうことで、結果的に組織全体の業務効率につながるケースもあるのです。新しく加わったシニアエンジニアの活躍は、時に既存メンバーへの刺激にもなり、若手育成へのきっかけにもなってきます。

    シニアを受け入れる際のコツ

    シニアエンジニアの採用には様々なメリットがある一方、受け入れる企業側は柔軟性を持って対応することが大切になってきます。特に重要視されるものはスキルマッチとカルチャーマッチにおける柔軟性です。

    スキルマッチの柔軟性について、企業が求めるプロダクトに対して候補者がスキルのアップデートも含めたキャッチアップの姿勢を問われる場面が出てきます。特定業務や限定的なスキルでキャリアを歩んできた場合、企業が求めているスキルセットとのマッチングの幅が限定的になってしまいます。しかし、50代以上のシニアエンジニアの中には「キャリアを重ねても生涯エンジニアであり続けたい」という思いから、柔軟な姿勢でチャレンジをしている方が多数います。そのため、募集業務のコアな能力を満たす候補者であれば、たとえ未経験業務が含まれる場合でも、学ぶ姿勢があるかどうかに目を向けて、採用活動をすることをお勧めします。

    カルチャーマッチにおける柔軟性は言語化がポイントになります。
    作業環境に加え、日々のレポートやコミュニケーションの方法などは、企業によって独自のカラーがあって当然です。前職で長期間勤務していた人の場合、前職をベースとした業務の進行やコミュニケーションの取り方が染み付いているでしょう。そのような候補者を受け入れる際には、初期の段階で会社の方針や期待することなどをしっかりと言語化して伝えることが重要です。

    シニアエンジニアは、長年培われた業務スキルがある方々なので、細かな認識合わせを行い、ミスコミュニケーションを減らすことで、スムーズに現場に溶け込んでもらいやすくなります。

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