コラム

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AUTOSARの旗振り役として
#モデルベース開発(MBD)

2022.08.01

エンジニア紹介

目次

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    AUTOSARのスペシャリスト: 伊藤 剛

    専門分野
    制御ソフト(エンジンECUの制御知識やノウハウ)
    AUTOSARの特徴、AP/CPの全体概要、違いについて/ E2E通信保護の要件、プロトコル仕様の詳細について

    仕事内容

    エンジンECUやEVECUの制御ソフト開発のほか、大学との連携でAUTOSAR Adaptive Platformのコンソーシアム活動に従事し、AUTOSAR仕様の策定や社内外の講師などを経験。現在は開発ベンダーに出向し、MBDによるEV開発業務を担当。

    AUTOSARについて

    AUTOSARは、Automotive Open System Architectureの略で、欧州自動車メーカーを中心に2003年に設立された、車載ソフトウェアの共通化を目的とした開発パートナーシップのことであり、また共通化を実現するためのプラットフォーム仕様の名称でもあります。

    そんなAUTOSARが世に求められてきた背景について尋ねると、パーソルクロステクノロジーでAUTOSARの旗振り役を担ってきた伊藤はこう答えました。
    「車載ソフトウェアの開発規模が比較的小さかった時代は、ECUに搭載されるマイコン(ハード)に合わせたソフトの”すり合わせ”が行われていました。しかし昨今の自動車は安全性や利便性向上のためにさまざまな機能が追加され、すり合わせ開発による”ソフトウェアの開発ボリュームの増大”が大きな問題となってきました」

    これに対しAUTOSARでは、車載アプリケーションとマイコンを切り離して開発するためのソフトウェアプラットフォーム仕様を標準化することで、”アプリケーションの再利用性の向上”と”ソフトウェア開発コストの削減”の両方が可能となります。

    Engineer_Ito_2r.png

    この技術の将来性について

    そんな伊藤に、この分野への期待や将来のビジョンを聞いてみました。
    「AUTOSARは2008年ごろから広く量産車に適用されており、現在は欧州での新規開発のほとんどの現場に採用されています。日本国内の開発においても採用する動きが活発化しています。従来型のClassic Platform(CP)に加え、2017年ごろからは次世代自動車に対応するAdaptive Platform(AP)の仕様策定が進められています」

    さらに伊藤はこう続けます。
    「AUTOSARのClassic Platform(CP)は現在では組み込みソフトのプラットフォームとして広く自動車業界で採用されており、AUTOSARの知識やスキルは制御ソフトの領域で大きな強みになります」

    伊藤が仕様策定に携わったAdaptive Platform (AP)の使用は、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転、セキュリティなど、複雑化するソフト開発においてますます重要な要素となっており、AUTOSARの知見を持ち合わせた技術者は今後も活躍の場を広げていくだろうと期待されています。

    仕事上の重要な価値観

    「仕事に対して真摯に向き合う姿勢を大事にしています。そうして得られた専門技術やコミュニケーション力などは、経験上、たとえ仕事内容や職場が変わっても、何かしら生きてくると実感しています」と笑顔で語る伊藤。そして「AUTOSARに加え、開発現場ではさまざまな工程で、モデルベース開発(MBD)が増えており、その必要性を日々実感しています。AUTOSARを理解した上で、さらにトレンドであるMBDを習得できればさらに自分の価値を発揮できるのではと考え、現在はMBD技術の習得にも力を入れています」と話す伊藤からは、AUTOSARとMBD、両技術の相乗効果への、確かな信頼を感じることができました。 

    関連サービス「モデルベース開発(MBD)」

    AUTOSARの技術は「MBD」と呼ばれる「モデルベース開発」とともに、まさに成長分野であり、双方の開発に詳しいエンジニアは希少価値が高いのが現状です。MBDを使用すれば、従来の”実物での検証による不具合発生時の手戻り”から解放され、自動車開発の時間やコストを大きく削減できます。この領域のお客様のビジネスに貢献していくために、パーソルクロステクノロジーではAUTOSARとMBD、双方に注力しています。

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