ネットワーク構築とは?準備やポイント、具体的な流れを解説

DX推進・IT活用

ネットワーク構築は、自社の生産性の向上に欠かせないインフラづくりです。速度や安定性に優れたネットワークは、社内の円滑な情報共有の実現に貢献します。
この記事では、ネットワーク構築の意味や準備すべきもの、失敗しないためのポイントや具体的な流れ、課題や外部委託先の選び方などを解説します。

目次

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    ネットワーク構築とは?

    ネットワーク構築とは、端末間の情報通信に必要な環境を作り上げることです。同じ敷地内の通信環境の形成はもちろん、東京と大阪など別々のオフィスにあるパソコンを通信させるような遠距離間の接続も含みます。

    ネットワーク構築では、単に端末同士を通信させることにとどまらず、以下に代表されるようなビジネスレベルの環境の構築を目指します。

    • 高速・低遅延の情報通信
    • アクセス負荷に耐えうる安定した接続
    • 情報流出を防ぎやすくするセキュリティ体制
    • 担当者を問わない運用管理体制 など

    IoT機器やAIの利用も進む昨今、ネットワークにトラブルが生じれば、企業活動は機能不全に陥りやすくなります。優れたネットワークの構築は、自社業務の円滑な遂行を下支えする重要な取り組みです。

    ネットワーク構築で準備するもの

    ネットワーク構築では、大きく以下の7種類の要素が必要となります。

    ルーター

    ルーターは、異なるネットワーク同士をつなぐための機器です。データの通信経路を制御することから、「route(ルート)+er(するもの)」としてルーターと呼ばれています。通常のルーターには、外部からの攻撃に対するセキュリティ機能(ファイアウォール機能)も備わっています。

    LANケーブル

    LANケーブルは有線LANと呼ばれる仕組みの通信に必要です。

    前提として、企業が利用するネットワークは主に以下の2種類に大別できます。

    • LAN(Local Area Network):建物内や敷地内など限定的なエリアのネットワーク。
    • WAN(Wide Area Network):東京と大阪のオフィスをつなぐなど広域的なネットワーク。いわゆるインターネット接続のことも指す。

    このうち、LANはさらに有線・無線の2種類に分かれています。LANケーブルは、パソコンとルーターに挿して両者を物理的につなぐなど、有線の通信に用いられます。

    スイッチングハブ

    スイッチングハブは、ルーターと端末の中継を担う機器です。LANケーブルの差し込み口の数が足りないなど、ルーターと端末のみでは難しい台数の接続に利用します。コアスイッチ、サーバースイッチ、PoEスイッチのように、役割や接続先から細分化して呼ばれることもあります。

    サーバー

    サーバーは主に情報共有や保存のために利用されます。ネットワーク上でデータを取り扱う倉庫のような存在で、端末からの要請に応じて情報を取り出したり、保管したりします。

    アクセスポイント

    アクセスポイントは、Wi-Fiの電波の送受信を担う機器です。前述の無線LANを実現する装置であり、タブレットのような端末がLANケーブルを挿さずにネットワークを利用できるのは、この機器のはたらきによるものです。

    なお、家庭用ではアクセスポイントがルーターと一体化していることも多いですが、ビジネス用途では別々に機器を用意するケースが主流です。

    クラウドストレージ

    クラウドストレージは、インターネット上のデータの保管庫です。前述のサーバーのインターネット版のような存在で、自社でサーバー機器を抱えるコスト(例:機器代、冷房を含む電気代、保管場所の確保、清掃や保守対応)の削減に活用されます。

    端末やセキュリティ機器

    その他、ネットワークに接続する端末(例:パソコン、タブレット、IoT機器)やセキュリティに特化した機器、ロードバランサー(通信の負荷を分散させる装置)なども、自社の用途に応じて求められます。

    ネットワーク構築で失敗しないポイント

    ネットワーク構築の失敗を避けるためには、大きく以下の5つのポイントを押さえる必要があります。

    自社の要件に合う規格を選ぶ

    ひとくちにネットワークといっても、企業規模、目的、場所、端末の種類などによってふさわしい規格は変わります。遠距離の拠点同士をリアルタイムで接続したいのならWAN、接続の品質や安定性を最重視したいなら有線LANなど、自社に適した規格を選択する必要があります。

    拠点数を正しく把握する

    ネットワーク構築で接続する拠点数は事前に確認しておきましょう。拠点数次第でネットワークの規模感や費用感も変動するほか、専用線を引くべきかVPN(WANの一種。インターネット上の仮想プライベートネットワーク)を用いるのかなど、構成の形も変わってきます。

    端末の数に応じてIPアドレスのクラスを選ぶ

    ネットワーク上での通信には、IPアドレスという機器の識別番号が用いられます。IPアドレスには以下のようにクラス(識別可能な上限数を決定する仕組み)があり、想定される端末数に応じた選択が求められます。

    • クラスA:大規模ネットワーク向き。最大約1,600万台まで
    • クラスB:中規模ネットワーク向き。最大約6万5,000台まで
    • クラスC:小規模ネットワーク向き。最大約254台まで

    なお、近年ではCIDR(Classless Inter-Domain Routing)と呼ばれる、クラスよりも柔軟にIPアドレスを割り振る仕組みの利用も進みつつあります。

    トラフィック量を数値化・監視する

    トラフィック量とは、ネットワーク上のデータの通信量を指します。構築したネットワークに対してトラフィック量が過剰になると、通信速度の低下やサーバーが落ちるなどのネットワーク障害が起こります。トラフィック量の数値化と監視を担えるITツールの導入が必要です。

    セキュリティ対策を強化する

    近年、不正アクセスやランサムウェア(データが暗号化され身代金を要求されるマルウェア)による被害が増えています。セキュリティ対策に特化した機器やソフトウェアを導入するなど、防衛策の検討も必須の課題です。

    ネットワーク構築の具体的な流れ

    続いて、ネットワーク構築の具体的な流れをご紹介します。

    ①社内ネットワークの現状やニーズを調査する

    最初の作業は、社内ネットワークの現状把握と、新しい環境に期待されるニーズの調査です。拠点数や想定される接続端末数の把握はもちろん、現在手が届いていない問題点の洗い出しもしましょう。「オンライン会議の映像や音声が途切れることがある」「回線速度が遅く大きなファイルのやり取りに時間がかかる」など、現場の声をアンケートで募集するのもよいでしょう。

    ②ネットワークの規格を選ぶ

    次に、調査の結果を受けて、無線LAN・有線LAN・WANから適切なネットワーク規格を選択します。通信の安定性に問題があるならできるだけ有線を活用する、多拠点の接続をおこないたいならWANやVPNを利用する、といった形です。

    ③運用管理のマニュアルを作成する

    ネットワークの構築に際しては、運用管理マニュアルの作成もおこないます。サーバーbのダウン時や情報流出インシデントの発生時など、万が一のトラブルの際の対応について手順やルールを定めておくことで、被害の最小化と迅速な解決が可能です。

    企業が抱えるネットワーク構築の課題

    一方、企業が自社単独でネットワーク構築を試みる際には、いくつかの課題も生じがちです。その具体例をご紹介します。

    専門人材が不足している

    ネットワーク構築に知見を持つ専門人材は希少であり、自社に在籍しているとは限りません。外部からの雇い入れには希少性に応じた高額な人件費がかかるうえ、社内で育成する場合にも研修費用や時間が求められます。

    従業員を上流工程に注力させたい

    幸運にも高度なIT人材を抱えている場合でも、その従業員をネットワーク構築よりも重要性の高い上流工程に注力させたいケースもあるでしょう。ネットワークはあくまでもインフラであり、要件定義や設計に手間取っていては、その先にあるクリエイティブな業務が滞ってしまいます。

    既存運用よりプロジェクトを推進したい

    現在のネットワークの保守や運用で手一杯となり、新たな仕組みの導入にリソースを割く余裕がないケースも散見されます。しかし、DXの重要性も指摘される昨今、レガシーシステムの維持に手間取ることには、自社の競争力低下という重大なリスクも隠れています。

    運用保守を外部委託したい

    ここまでご紹介した課題の解決策となるのが、ネットワークの構築や運用・保守の外部委託です。トラフィック量やネットワーク状況の監視、障害対応やサーバーの定期メンテナンスなどを外部に委託できれば、貴重な社内リソースをより生産性の高い業務へ注力できます。

    ネットワーク構築の委託先の選び方

    では、ネットワーク構築の委託先はどのように選ぶべきでしょうか。

    実績や対応業種を確認する

    特に大切となるのは、実績と対応業種の確認です。医療分野では通信の品質の絶対的な安定が求められるなど、ネットワーク構築は業種によって求められる完成形が変わります。自社と同分野の事例を豊富に持つ委託先であるかを確認しておきましょう。

    相見積もりで費用を把握する

    相見積もりによる料金の比較も後悔しないためのポイントです。特に、運用や保守も委託する際には、ランニングコストが自社の経営を圧迫しないよう、無理のない料金を選択する必要があります。

    アフターフォロー体制を調べる

    アフターフォロー体制も充実している委託先であれば、ネットワーク構築後のトラブルを避けやすくなります。納品後にどこまで対応してくれるのか、サポートの回数や期間にどの程度の制限があるのか、構築後の利用イメージをもとに相談しておきましょう。

    ネットワーク構築を一気通貫で支援するサービスとは?

    ネットワーク構築にまつわる作業の外部委託を希望する際は、パーソルクロステクノロジーが提供するサーバー・ネットワーク構築支援サービスもぜひご検討ください。このサービスでは、以下に代表されるネットワーク構築の諸業務をまとめて委託いただけます。

    • ネットワーク設計構築運用、仮想化
    • サーバー設計構築運用、クラウド化
    • セキュリティ診断、設計構築運用など
    • 運用監視、障害対応
    • 回線調整

    構築支援の形態も、受託から派遣まで柔軟に対応可能です。ご要望をヒアリングしたうえで、最適な形をともに探っていきます。

    サービス:サーバー・ネットワーク構築支援

    ネットワーク構築で業務効率アップやセキュリティ強化につなげよう

    ネットワーク構築とは、端末間の情報通信に必要な環境を作り上げることです。実現にあたっては、ネットワークの知見を持つ専門人材が求められます。

    ネットワーク構築の知見や人材に関してお困りの際は、以下のリンクよりお気軽にご要望やお悩みをお聞かせください。

    サービス:サーバー・ネットワーク構築支援

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